【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
「もうその辺で野垂(のた)れ死んでるかもしれないわね」
「まあっ!」

 アハハハという笑い声が少女の耳に入るが、彼女は唇を噛みしめて黙って我慢する。
 伯爵夫人とメイドが去って一人になったとき、彼女は一人服の袖で涙を拭った──


「フィーネ!」
「はいっ!」

 掃除を終えた午後には休む暇もなく伯爵夫人に呼びかけられてあることを命じられる。
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