【完結】吸血鬼の花嫁～罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています～

第5話 婚約者との別れと再会

　二人は気恥ずかしそうに婚約した挨拶をする。

「まあっ！　お似合いな二人ね～！」
「ええ、そうですな」

　公爵と伯爵夫人は二人がソファに座って挨拶をする様子を見て、にこやかな表情を浮かべる。
　婚約者同士であとはゆっくり親睦を、とフィーネとオズとの二人でお茶を飲みながら過ごすことに。
　皆が順に退室する中で、伯爵夫人がフィーネの耳元で呟く。

「何がなんでも次期公爵様の心を掴みなさい。でなればあんたの夕飯はなしよ」
「はい、かしこまりました」

　オズに聞こえないように返事のを聞き届けた伯爵夫人はそのまま扇で口元を隠し、オズに一礼して去っていく。