【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
 これ以降、オズは毎週週末にはフィーネに会いにくるようになった。
 徐々に仲良くなり、フィーネ自身も心を許して、オズと話せるようになる。

「オズっ!」
「フィーネ、待ってたよ。今日は本でも読もうか」
「はいっ!」

 最初こそ寂しくて自分を見ていないような、どこか遠くをみている少年に不安を覚えていたが、段々と少年も柔らかい印象になり、フィーネもそのあたたかさを心地よく感じた。
 オズに会える時を思うと、フィーネは虐げられる日々も耐えられるようになり、そして何より感情も芽生えていった。
 フィーネは少年オズに恋をしていった──

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