【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
 そんな時だった、フィーネとの婚約話を聞かされたのは。

「相手はライナー伯爵のご息女、フィーネ様だ」
「かしこまりました、お父さまのご指示に従います」

 フィーネとオズは一度だけ先日会っていた。
 両家のいつものお茶会にお互いの子供たちもということで挨拶がてら行っていたのだ。

(確か4歳くらいの幼い子供だったな。翡翠色の目が似合っていた印象だがなんだかおとなしそうな子だった)

 そんな風にオズは思っていたが、同時に何か引っかかりも覚えた。

(なんか、寂しそうだったな……)

 自分と同じように何か寂しそうな雰囲気を漂わせた不思議な子だった──
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