【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
「最初婚約者としてが難しかったら、お兄さんだと思ってくれていいからね」
「……おにいさま?」
「ああ、君の好きなこととか、逆に嫌いなこととか話してくれるだけでいいよ」

 彼女は4歳、自分は10歳だからと、まずはお兄さんであろうとした。
 自分もこの幼女をいきなり婚約者に見ろと言われてもまだ妹にしか見えない。
 すると、フィーネから意外な問いかけが来た。

「さみしい?」
「え?」
「もうしわけございません。なんでもありません」
「いや、大丈夫だよ。僕は君がいるから寂しくないよ」

 正直オズは内心ドキッとした。
 こんなに小さい目の前の少女に心を見透かされたような気がした。
 鋭いこの子に最初は少し恐怖を覚えた──
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