【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
 しかし、フィーネに触れていくにつれてどんどん自分の中の感情が変わっていった。

「オズっ!」

 次第に嬉しそうに微笑むようになった彼女の天真爛漫な様子に、もう自分は虜だった。
 彼女は見てて飽きない。

「オズ?」
「なんだい?」
「わたしとオズはおともだち?」

 答えに少し困った。

(おともだち……でもあるか。婚約者だということは追々話せばいいし)

 フィーネは毎週オズに会えることを楽しみにしているのか、扉をバタンと大きな音を立てて開けて会いに来る。
 そしてちょこんとオズの隣に座ると、手を繋いでくるのだ。
< 30 / 82 >

この作品をシェア

pagetop