【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
 オズは自室に戻りそのまま急いで仕事をすることになった。

「フィーネ、ディナーは一緒に食べよう」
「はいっ! 喜んで!」

 そう言葉を交わしてオズは側近からさっそく資料を手渡されると、その資料に目を通しながら部屋に入っていく。

「フィーネ様、まいりましょうか」
「はい、リンさん」

 リンの案内についていくと、フィーネの目には廊下のいろいろなものが映る。

「これ、うちにもあった絵です」
「これは旦那様……オズ様がフィーネ様のお家で見て気に入って買ったそうです」
「確かに、この絵は好きでした。特にこの可愛い猫ちゃんが毛玉で遊んでいるのが可愛いんです!」
「はい、私もこの絵は好きです」

 嬉しそうに会話をしながら、リンはある部屋のドアを開けた。
 手で誘導されたフィーネは、その部屋にゆっくりと足を踏み入れる。
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