【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
時計を見ると、そこには13時すぎの針が見える。
慌ててフィーネは飛び起きると、夜着のままベッドの上で正座してエルゼに謝罪をする。
「申し訳ございません、王妃様! 私のようなものが寝坊をしてしまい……」
ベッドに頭をめり込ませながら謝罪をするフィーネの顔を優しくあげて、口元に人差し指をあてる。
「ダメよ、『私のような』なんて言葉を使っちゃ。レディはもっと胸張って堂々として、そして強く生きなさい」
フィーネにはその言葉なにより心に沁みた。
今まで虐げられるだけの日々だった自分の人生に大きな光が差したような、そんな気がした。
「さ、これからは一つフィーネちゃんにやってほしいことがあるの」
「なんでしょうか?」
「公爵夫人教育」
「え?」
フィーネ自身すっかり忘れていたのだ。
自分を買った主人、そして夫となる人物が公爵だということを──
慌ててフィーネは飛び起きると、夜着のままベッドの上で正座してエルゼに謝罪をする。
「申し訳ございません、王妃様! 私のようなものが寝坊をしてしまい……」
ベッドに頭をめり込ませながら謝罪をするフィーネの顔を優しくあげて、口元に人差し指をあてる。
「ダメよ、『私のような』なんて言葉を使っちゃ。レディはもっと胸張って堂々として、そして強く生きなさい」
フィーネにはその言葉なにより心に沁みた。
今まで虐げられるだけの日々だった自分の人生に大きな光が差したような、そんな気がした。
「さ、これからは一つフィーネちゃんにやってほしいことがあるの」
「なんでしょうか?」
「公爵夫人教育」
「え?」
フィーネ自身すっかり忘れていたのだ。
自分を買った主人、そして夫となる人物が公爵だということを──