【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
「でも私マナーがまだ慣れなくて……」
「大丈夫よ! 私とリンで教えるから!」

 エルザはそう言ってえっへんという感じに嬉しそうに、そして誇らしく胸を叩く。
 リンに目を移すと、彼女はおしとやかにお辞儀をして無言の返事をする。

「でもお二人ともお忙しいのでは……」
「大丈夫よ! 私は暇だもの!」
「わたくしはフィーネ様専属メイドでございますので」

 二人の心強い返事を聞いて、フィーネはふと馬車での彼の言葉を思い出した。



『君は公爵夫人として苦労をするかもしれない』
『はい、覚悟しております』
『でも君には僕を含めて味方がたくさんいる』
『味方?』
『いずれわかるよ』


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