【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~
第14話 リンの過去
少女は冷たい雪の上をお腹を空かせてただひたすらに歩いていた。
どこか目的地があるわけではない、ただひたすらに歩いてみていた。
彼女は貧しい家庭で育ち、そして両親は病で亡くなった。
当然、薬を買う金もなく少しずつ衰弱する両親の様子をただひたすらに見ている事しかできなかった。
ああ、神様、どうかお父さんとお母さんを助けてください。
そんな少女の願いも虚しく、両親はそのまま亡くなったのだ。
そうなれば、少女にはもうどうする術もない。
ただの藁ぶき屋根の小さな小屋の家に、大人の男が入ってきて少女を連れて行った。
彼らは奴隷商人であり、貿易船の隙間に乗せて他国に少女を売ろうとしたのだ。
彼女に抗う術はなかった──
数十日の船旅で体力を余計に消耗しながら、あと少しというところで船は嵐によって難破してしまう。
「んぐっ!」
溺れそうになりながらもなんとか流れがよかったのか、少女はある国にたどり着いた。
そこで疲れて休んでいた馬車によって運ばれて、気づけば隣国についていた。
「ここ……どこ……」
どこか目的地があるわけではない、ただひたすらに歩いてみていた。
彼女は貧しい家庭で育ち、そして両親は病で亡くなった。
当然、薬を買う金もなく少しずつ衰弱する両親の様子をただひたすらに見ている事しかできなかった。
ああ、神様、どうかお父さんとお母さんを助けてください。
そんな少女の願いも虚しく、両親はそのまま亡くなったのだ。
そうなれば、少女にはもうどうする術もない。
ただの藁ぶき屋根の小さな小屋の家に、大人の男が入ってきて少女を連れて行った。
彼らは奴隷商人であり、貿易船の隙間に乗せて他国に少女を売ろうとしたのだ。
彼女に抗う術はなかった──
数十日の船旅で体力を余計に消耗しながら、あと少しというところで船は嵐によって難破してしまう。
「んぐっ!」
溺れそうになりながらもなんとか流れがよかったのか、少女はある国にたどり着いた。
そこで疲れて休んでいた馬車によって運ばれて、気づけば隣国についていた。
「ここ……どこ……」