Triangle Love 3 ~ Close to you ~
放課後、わたしは待ち合わせ場所の公園にやって来た。

噴水の付近にある時計台の前でうろうろしていた。

時計を見た。

約束の時間まであと少し。

深呼吸をした。

ふぅ。

『ナナミちゃーん!』

いっくんが公園にやって来た。

『来てくれてありがとね~!あっちの方のベンチに座ろうよ〜。』

『うん。』

わたし達は周りの人がいないベンチの方に移動して、座った。

そしてプレゼントを渡した。

『毎年のことだからね。気づいているとは思うけど〜。はい!』

『ありがとう!僕の好きなお菓子だ!それと腕時計も?オシャレだねぇ…って花束も?すごい。今年は盛り沢山だね!ありがとう!嬉しいよ!』

『ほんとに?よかったよ~!』

プレゼントは無事に渡すことができた。

あとは勇気を出すだけだ。

勇気を…めーちゃん…。

『それでね。その…。』

『どうしたの?』

『あ…。あのね…。』

『うん。』

『わたし!ずっとずっと…ずっと前から…前から…いっ…くんのこと!す。好きだったの!だから!付き合ってください!』

『……。』

ついに告白した。

でも、いっくんは黙ってしまった。

そうだよね…。

昔からの友達に急に好きとか言われたら、戸惑うよね。

『えーっと。ナナミちゃんが僕を好き?恋愛的な意味で…?』

『そ、そうなの!昔から…。ごめんね、ずっと黙ってて…。』

『……。』

いっくんは再び黙ってしまった。

もう逃げ出したいよ。

怖いよ。

しばらくうつむいたまま黙っていると、いっくんが口を開いた。

『まさか。ナナミちゃんに好かれてるなんて思ってなかったから、驚いたよ。…付き合おうよ。』

『へ?』

わたしは驚いて立ち上がった。

マヌケな声も出しちゃった。

今、付き合おうって言った?

『ほ、ほんとに?』

『うん。本当だよ。』

『ほんとに?ほんとに?…やったぁ〜!』

『…今日から恋人としてよろしくね。』

『うん!えへへ~!やった〜!やったよ~!いっくんと恋人…!』

まさか上手くいくなんて。

めーちゃんの言った通りだった。

大丈夫だった。

いっくんから恋人って言ってもらえた。

今が人生で一番幸せな瞬間だよ!
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