Triangle Love 3 ~ Close to you ~
俺達は飲食店に入った。

中心にテーブルがあるタイプの4人掛けの席に案内された。

3人共が顔を付き合わす形になった。

それぞれ好きな物を注文し、談笑をしながら料理が到着するのを待った。

しばらくして、注文した物がテーブルにやって来た。

それらも会話をしながら食べ終えた。

この後どうしようか、という空気になった。

俺としてはこのタイミングで帰りたい。

これ以上一緒にいると、頭がどうかなりそうだ。

先程から会話の内容が全く頭に入って来ない。

『僕は買い物をしたいんだけど、2人はどうかな?』

『わたしも買い物したい~。見たいものあるし〜!めーちゃんは~?』

『俺は…。』

2人といるのが辛いから帰りたい、とは言えない。

『実は宿題やってないんだよ。だから帰ってやらないといけない。』

俺は何気なく答えた。

理由が無理やり過ぎたかもしれない。

『え~。そんなのはわたしが後で全部見せてあげるよ~。』

ナナミがのんきな口調で答える。

『いや。お前のじゃ、全部間違えてるかもしれないだろ。』

『ひど~い!』

ナナミの目がこんな感じ(××)になった。

『それなら、僕がその宿題を解こうか?写真だけ送ってくれたら、答えだけ送るよ!』

イクヤから意外な提案がされた。

たしかにイクヤは、俺達より偏差値が高い、いわゆる頭が良い高校に通ってはいる。

答えは正確なものだとは思う。

でも、なんでこの2人は俺を引き留めようとするんだ?

普通、恋人同士のデートって邪魔はされたくないものじゃないのか?

『テストも近いし、自分でやらないとな。俺のことはいいから、2人で楽しんでこいよ。しっかりとデートした方がいいぞ!』

『めーちゃん…。』

ナナミは寂しげな表情を浮かべた。

そんな顔、俺に向けるなよ。

今のお前にはイクヤがいるじゃないか。

『…ってことだ。じゃーな。』

俺は立ち上がり、お金だけ渡してさっさと店を出た。

そろそろ限界かもしれない。
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