Triangle Love 3 ~ Close to you ~
俺達はショッピングモールを出て、駅の方へ向かい始めた。

もう用は済んだので帰るだけだ。

最終的にナナミはお菓子と腕時計を買った。

そして、花束も買った。

花束は予約だけして、イクヤの誕生日の当日に取りに行くようだ。

『暑いね〜。夕方なのに。』

『まだ9月だからな。』

『わたし暑いのにがて〜。めーちゃん!今日はありがとう~!めーちゃんがいてホントよかった~!』

『それくらい。全然。』

満足そうな表情を浮かべたナナミから、お礼を言われた。

納得がいく物を買えたのなら良かったと、心から思う。

『本当にありがとう~!ねぇ。めーちゃん。』

ナナミは急にマジメな顔をして言った。

『友達の…友達の話なんだけどね。友達がその…。好きな人がいて。その…告白をしたいんだって。でも…。そんな経験全然ないから…どうしたらいいか分からなくて…。どうしたらいいかな?』

『…。』

何も言いたくなかった。

プレゼント選びまでは分かる。

俺だってイクヤにはお世話になっているし、喜ぶ物をあげて欲しい。

でも気持ちの問題は、俺には関係の無い話だ。

もし俺がここでナナミに告白したとすれば、俺にも関係がある話にはなるが…。

怒りや嫉妬が入り混じり、感情に任せて言葉を発した。

『知ってるか?友達の話なんだけどって言って恋愛の話を切り出す奴は、大体自分の事なんだ。有名な説だぞ。』

『へ?』

『その話さ。ナナミ自身の話だろ?ただの友達にあげるプレゼントごときで、花束なんか渡すか?』

『えーと…。いや…。』

『悪いけど。俺にはさっぱりだから答えられない。それに。嘘をつくような奴にアドバイスなんかできない。俺。まだ買い物するから先に帰ってな。じゃあな。』

『めーちゃん…。』

そのように言い放った俺は、泣きそうになっているナナミを置いて、ショッピングモールの方向へと戻っていった。

…。
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