Triangle Love 3 ~ Close to you ~
何とか家の中に入れてもらい、玄関を通過して階段を上がった。
ナナミの部屋は2階だ。
そして、部屋の前に立った。
コンコン。
俺は部屋のドアを軽くノックをした。
『おーい、ナナミ。俺だ。カナメだ。開けてくれ!』
返事がない。
『おーい。寝てんのかー?』
もう一度呼びかけてみたが、返事はない。
ドアノブに手をかけた。
あれ?
開いてる?
カギはかかっていない。
やむを得ない。
俺はドアを開けた。
部屋の中に入った。
『お邪魔しますよ?…おい。ナナミ!』
なぜか。
ナナミが制服のまま床に座っていた。
座椅子の上で膝を抱えて、宙を眺めている。
学校には行こうとしたのか?
『おーいナナミ。どした!おい?おい!』
体を揺すったが、目が虚ろだ。
回りを見た。
特に異常はない。
強いて言えば、クラッカーの残骸が落ちている。
後は、ウサギのぬいぐるみと花束が転がっているだけだ。
違う。
花束は分からないけど、ぬいぐるみはイクヤがあげた誕生日プレゼントじゃないのか?
なんで床に転がっているんだ?
いや、この花も…。
『…め…ちゃん…。なに…して…るの?』
ナナミがやっと口を開いた。
俺は反射的に、至近距離まで駆け寄った。
良い匂いだ…とか思っている場合ではない。
『お前の様子を見に来たんだよ!何があった?イクヤと何かあったのか?』
ナナミは何も答えない。
『大丈夫かよ!?なぁ?』
俺はナナミの両肩を軽く掴んだ。
『あ…あ…。』
ナナミが少しだけ口を動かしている。
俺は肩から手を離した。
できる限り優しく、静かに言った。
『大丈夫だ。落ちついて話そう…!』
『いっ…くん…別れよ…って…。』
か細くて震えた声が、嘘みたいな音を発した。
別れよう?
どういうこと…だ…?
『元々…好きじゃない…って。冷たい…声でね…。』
『…。』
『ぜん…ぶ…嘘…。たくさんした…デートも…。キス…したり…触れ…合ったり…それも…う…ううっ…うそ…。』
『…ナナミ。』
近づいて気がついたが、目が腫れ上がっている。
声が全然出ないのは、一晩中、朝まで声を殺して泣いたせいだ。
制服のままなのは…。
昨日からずっと、この場所を動いていないからか。
心臓が痛い。
それでも無理やり言葉を捻り出した。
『ナナミ。最近さ。全然…顔を合わせなくて。心配かけてごめんな。信じてもらえるか分からない。でも、ここに必ず戻って来るから。』
『…。』
『だから。部屋のカギ…いや、窓のカギを開けておいてくれ。よろしく…な!』
ナナミは何も言わないし、微塵も動かない。
宙だけを悲しそうな瞳で捉えている。
俺は立ち上がり、ナナミから離れた。
ナナミの部屋は2階だ。
そして、部屋の前に立った。
コンコン。
俺は部屋のドアを軽くノックをした。
『おーい、ナナミ。俺だ。カナメだ。開けてくれ!』
返事がない。
『おーい。寝てんのかー?』
もう一度呼びかけてみたが、返事はない。
ドアノブに手をかけた。
あれ?
開いてる?
カギはかかっていない。
やむを得ない。
俺はドアを開けた。
部屋の中に入った。
『お邪魔しますよ?…おい。ナナミ!』
なぜか。
ナナミが制服のまま床に座っていた。
座椅子の上で膝を抱えて、宙を眺めている。
学校には行こうとしたのか?
『おーいナナミ。どした!おい?おい!』
体を揺すったが、目が虚ろだ。
回りを見た。
特に異常はない。
強いて言えば、クラッカーの残骸が落ちている。
後は、ウサギのぬいぐるみと花束が転がっているだけだ。
違う。
花束は分からないけど、ぬいぐるみはイクヤがあげた誕生日プレゼントじゃないのか?
なんで床に転がっているんだ?
いや、この花も…。
『…め…ちゃん…。なに…して…るの?』
ナナミがやっと口を開いた。
俺は反射的に、至近距離まで駆け寄った。
良い匂いだ…とか思っている場合ではない。
『お前の様子を見に来たんだよ!何があった?イクヤと何かあったのか?』
ナナミは何も答えない。
『大丈夫かよ!?なぁ?』
俺はナナミの両肩を軽く掴んだ。
『あ…あ…。』
ナナミが少しだけ口を動かしている。
俺は肩から手を離した。
できる限り優しく、静かに言った。
『大丈夫だ。落ちついて話そう…!』
『いっ…くん…別れよ…って…。』
か細くて震えた声が、嘘みたいな音を発した。
別れよう?
どういうこと…だ…?
『元々…好きじゃない…って。冷たい…声でね…。』
『…。』
『ぜん…ぶ…嘘…。たくさんした…デートも…。キス…したり…触れ…合ったり…それも…う…ううっ…うそ…。』
『…ナナミ。』
近づいて気がついたが、目が腫れ上がっている。
声が全然出ないのは、一晩中、朝まで声を殺して泣いたせいだ。
制服のままなのは…。
昨日からずっと、この場所を動いていないからか。
心臓が痛い。
それでも無理やり言葉を捻り出した。
『ナナミ。最近さ。全然…顔を合わせなくて。心配かけてごめんな。信じてもらえるか分からない。でも、ここに必ず戻って来るから。』
『…。』
『だから。部屋のカギ…いや、窓のカギを開けておいてくれ。よろしく…な!』
ナナミは何も言わないし、微塵も動かない。
宙だけを悲しそうな瞳で捉えている。
俺は立ち上がり、ナナミから離れた。