研がれる私/長編エロティックミステリー
猟奇の主④



翌朝は目が覚めるのがちょっと遅かった

朝9時ちょっと前…

洗顔して歯を磨いた後、メールをチェックしたのだが…

高石トールからのメールは着信されていなかった


***


昼過ぎとなっても、一向にメールは返ってこない

私はちょっと不安になってきた

カレとの待ち合わせは午後6時半だ

とにかく、夕方近くまで待とう…

そういうことにした


***


午後2時50分…

いまだ返信はない

ここで私は、彼のケータイに連絡してみた

”プルルルーン…、プルルルーン…”

20回呼び出しを繰り返したが、出なかった

まさかとは思うけど…

私は1階エントランスのポストにかっ飛んで行ったわ


***


エレベーターから飛び降り、603号室のポストを私の両目が捉えると…

そこには、ソレが確かにリアルに映っていた

同じだ…!

一昨日と…

既に心臓は激しく鼓動し、一瞬たじろいだが、私は右手で恐る恐るソレを掴んだわ

消印もなく、差出人は不明記…

全く同じよ

この前と一緒だって

この手触り感も…


***


私は大急ぎで部屋に戻った

リビングに入ると、意を決し、私は開封作業に入った

結果は無論だった

”中身”も前回と判で押したように同様だったから

間違いないでしょ…

コレ…、高石さんの生爪よ!

チクショーー!

私は、”前回”の封筒が置いてある引出しに重ねてしまったわ

こんなもん、マジマジと見る気しないって…

私、心の中でむなしくそう叫んだわ

その時…、スマホの着信メロディーが鳴った

高石さんだった!





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