研がれる私/長編エロティックミステリー
残った男①
「あなた!まさか…」
「…ケガだ。細かく聞かれても答えねー。何しろ、アンタとの共演もヒモの申し出も降りる。こんな俺でもよう、無断キャンセルは気が引けたんで、ドタキャンの一報だけはな…」
脂肪付チョイデブのダサ系プー、石渡カズヒコのその声…
何と弱々しいのよ!
アンタは不敵で憎々しいからこそ、存在感を醸してるんでしょーが!
***
「石渡さん、答えてちょうだい!あなたの生ツメを剥がしたのは誰なの!」
「オレじゃないのは確実だろ。この後に及んで自作自演ってのは200%ない。なら、残るは一人だろ」
「!!!」
「…宮本さん!映ってますよ、午前2時55分だ…」
私のアタマが真っ白の最中…、リビングからは遅すぎたお呼びがかかった…
***
「…今いきますから、一時停止でお願いします!…石渡さん、私はあなたを最初から疑ってた。その容姿とかで先入観もあったわ。でも違った…。申し訳ないわ、あなたには」
「アンタにそんな口上、似合わない。それに、今みたいな甘い気持ちじゃあ、”これから”のストーリーは散々たるもんになるだろ。ファンをなくすぞ」
「石渡さん…、あなた…」
「いいか、これからでアンタの真価が決まる。本命男も及第点男も悲しむようなザマだけは晒すな。自信なきゃ、撤退した方が身のためだ。以上だ。じゃあ…」
”プーッ…”
プーさんは最後まナゾだった
***
でも…
カレがメールで確約した昨日のセリフ…
アレは完遂したと思う
”そこではお前の知りたいこと、全部わかるようにしておく…”
あなたによって、たった今、概ねが”私の中”に入ったわ
それは、バーチャルとリアルをワープさせていた私たちの、本当の行先になるのね…
戯言じゃあ済まない…
この時…、漠然とだが、やっとそのことに気付いたわ
「あなた!まさか…」
「…ケガだ。細かく聞かれても答えねー。何しろ、アンタとの共演もヒモの申し出も降りる。こんな俺でもよう、無断キャンセルは気が引けたんで、ドタキャンの一報だけはな…」
脂肪付チョイデブのダサ系プー、石渡カズヒコのその声…
何と弱々しいのよ!
アンタは不敵で憎々しいからこそ、存在感を醸してるんでしょーが!
***
「石渡さん、答えてちょうだい!あなたの生ツメを剥がしたのは誰なの!」
「オレじゃないのは確実だろ。この後に及んで自作自演ってのは200%ない。なら、残るは一人だろ」
「!!!」
「…宮本さん!映ってますよ、午前2時55分だ…」
私のアタマが真っ白の最中…、リビングからは遅すぎたお呼びがかかった…
***
「…今いきますから、一時停止でお願いします!…石渡さん、私はあなたを最初から疑ってた。その容姿とかで先入観もあったわ。でも違った…。申し訳ないわ、あなたには」
「アンタにそんな口上、似合わない。それに、今みたいな甘い気持ちじゃあ、”これから”のストーリーは散々たるもんになるだろ。ファンをなくすぞ」
「石渡さん…、あなた…」
「いいか、これからでアンタの真価が決まる。本命男も及第点男も悲しむようなザマだけは晒すな。自信なきゃ、撤退した方が身のためだ。以上だ。じゃあ…」
”プーッ…”
プーさんは最後まナゾだった
***
でも…
カレがメールで確約した昨日のセリフ…
アレは完遂したと思う
”そこではお前の知りたいこと、全部わかるようにしておく…”
あなたによって、たった今、概ねが”私の中”に入ったわ
それは、バーチャルとリアルをワープさせていた私たちの、本当の行先になるのね…
戯言じゃあ済まない…
この時…、漠然とだが、やっとそのことに気付いたわ