研がれる私/長編エロティックミステリー

すきま女優の館



なんとも妖しいサイト、”すきま女優の館”…

私、宮本ルイは、ココのコアな会員となってまだ3か月しか経ていない

だが、すでに”最終地点”に到達していたの

私がココに辿り着いたキーワードは、”危険限界な出会い””究極の刺激””超ハード体験”…

ヒットしたサイトのキャッチは、”現実に飽き足りない貪欲な刺激中毒者のアリエナイ願望叶えます!”だった


***


私は会員登録を済ませると、いきなり”スーパー・ハード・コース”をチョイスした

全く躊躇せずに…


***


このサイトでは、いわゆるフィクションのストーリーを提供し、会員ユーザーの女性自身が登場人物として自らのセリフを文字入力して”演じながら”、ネット上で物語を作っていく仕組みになっていた

その際、物語はユーザー女性が希望する結末で終えることができる

つまりユーザー女性からすれば、創作&出演がミックスされた、いわば参加型の立体バーチャル空間で、非日常的な体験ができるという次第

なので、ストーリーの内容如何では、かなり刺激的なシチュエーションのバーチャル体験もアリ

さらに、このバーチャルストーリーには、男性会員の”読者”がついているので、すなわち”観客”が存在してるってことになる

彼らは気に入ったストーリーを追いながら、お気に入りのすきま女優にイメージを膨らませてるんだろう…

だが、”すきま女優の館”は、それで終わりではなかった


***


このサイトの真骨頂は、会員であるすきま女優が導いた結末から先の”舞台”を、”実際”に提供することだ

例えば、交通事故で夫を亡くした未亡人が、葬儀の席で流していた涙は、たんまり入った保険金で第2の人生を謳歌する夢を思い浮かべ、笑いをこらえるのに必死で目から溢れていたものだった…

そんなオチをユーザー女性が導いたなら、その後の設定を新たな男性との出会いとすれば、今度は生身の人間で演じる場がセットされるというのだ

そして相手の”男優”は、サイトを通じた男性会員の中ならセレクトされるという仕組みらしい

むろん、その後は当事者のご随意にどうぞよ…

当サイトは”その先”に何ら関知しませんってことで、私的にはここがミソとなってくる

要するに、架空のストーリーを演じ、結末を導いた女性会員がその後の設定に於いて、自分のすきま女優振りを気にいってくれた男性会員と、”共演”という形での刺激的な出会いが叶うといった具合だ

そこでヤバイ女、私、宮本ルイの選んだストーリーとなる…





< 6 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop