研がれる私/長編エロティックミステリー
奇策あり⑦



今夜で、いまいち正体不明だったプーの”あらかた”はその脂肪から剥がれ、明らかとなったわ

面接した4人の中では、とりわけ異常っぽかったこの男…

ところがよ

実は自の欲求・欲望にはとても素直だったようで、つまりは高石トールと一緒で、人間としてフツーだったようだ

それで、打ち解けてくれたのはいいのだが…


***


「あのよう…、コトが成就した後でいい。なあ、一発やらせてくれないか?なんか、お前、そそるわ。やっぱ。今も下の方…、ゲンキになっちまってるしよう。”代金”はギャラから差し引いてもらっていいから」

私、ホント言うと、”こういった感覚”のアプローチ、嫌いじゃない

「どうしようかな~~」

「自慢じゃないが、その手のテクニックは意外と豊富でさ。精力も鉄人並みだと自負してる。それ、約束してくれれば、他の二人の説得にも力入るしよう…」

「じゃあ、私の期待通りの働きを見せてくれた上で、なおかつ、康友を消すことが出来た暁なら、いいって言っとく。ただし、私とその期待を”裏切らない”ことが条件よ!」

「おお、わかった。”期待”は裏切らない。はは…、コレで楽しみが出来た」

「…」


***


この夜、石渡カズヒコは、マルガリータ×2→生ビールという、訳わからんドリンクオーダーだった

とにもかくにも、プーとの段取りはしっかり申し合せが出来た

まずはプーが石橋ミッチーと会い、今般の計画を明かした上で、オーソドックスに参画を誘う

コイツにはその場での首尾を連絡するように指示してある

そしてそれは、明日の夜7時

この結果でその後のアクションが決まるわね

さあ…!

明日、石橋はどう反応するかな

一緒に爪を剥がされた石渡…、いえ、イカレた”すきま女優”宮本ルイからのオファーに…






< 72 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop