逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
「悪いな、あれは俺が自分からお前にぶつかったんだ。きっと、お前は俺に言い寄ってくるって確信したからな。お前はずっと、ちょっとぶつかっただけでも、男なら誰でも追いかけまわしてすぐに体の関係を持つって知っていたからな。一度関係を持って、相性が合えば飽きるまで関係を持つ。だが、相性が悪ければすぐにでも殺してしまう…そうだろう? 」
純也の言葉に綾がずっと封印していた忌々しい過去が頭の中をよぎった。
(いや! やめて! )
(うっせぇな! さわぐんじゃねぇよ! すぐ気持ち良くなるって)
兄の圭吾に無理やり体を奪われた日。
彩の初体験だったが、その初体験は気持ち悪く恐怖でいっぱいだった。
痛いばかりで気持ちいいなんて感じなかった初体験。
それを忘れようと援助交際を始めた彩。
しかし体の関係は相性がある為、気持ちい関係とそうでない関係があった。
彩は相性が悪い男に出会うと、圭吾を思い出し憎しみが込みがり殺意に変わり気づけば殺していたのだ。
セックスが気持ちよくないなんて、ありえないでしょう?
ギロっと彩の目つきが恐ろしく変わった。
「何を言い出すの? 相性が悪いだなんて、失礼なこと言わないでよ! みんな、私を幸せにしてくれないから悪いんじゃない! 」
「はぁ? 幸せにしてくれない? 」
「そうよ! だって…セックスは、最高の幸せよ! それが気持ちよくないなんて、ありえないじゃない? セックスで最高の幸せを味合わせてくれる人が、私を幸せにしてくれるの。最高に私を気持ちよくしてくれて、いかせてくれる人なのよ。せっかくこの私の、美貌を見せてあげているのにそれができないなんて…死ねばいいのよ、そんな男は…」
死ねばいいと言い放った彩は、この世を全てに組んでいるような怖い目をしていた。
その目を見た純也はゾクっとする寒気を感じた。
「…初めてのセックスなのに…あんなに気持ち悪いセックスなんて、ありえないでしょう? …痛いのを我慢して受け入れたのに、全然気持ちよくない…。触られても、気持ち悪いだけで全然感じない…ただ、早く終わってってそう思うしかできなかったなんて! それなのに、自分にはご奉仕しろってやりたい放題よ! 気持ち悪いのを、口の中に出されたり、顔に出されたり! そんなのありえないでしょう? 」