逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
月の輝く夜に…
それからゆっくりしていると、今日は泊まりだねと鷹人が言い出した。
いいえ、帰りますからと麗人が言ったが、優造からの許可はもらっているからと言って部屋も用意していると言われた。
別に部屋は用意しているのか。
じゃあ、今日はああならないよね?
麗人はちょっとホッとしたような、残念なような気持になった。
深夜になり。
急に隣になって着替えが無かった麗人だが、麗香が麗美が使わない新しい下着とパジャマを貸してくれた。
そして私服も麗美は好みではないと言って、使わないままでとってある私服を渡してくれた。
ブルーのシンプルなパジャマを着て、用意された和室の部屋で布団で寝る事になった麗人。
お客様用でフカフカの布団は、しっかり干してあるのが判る。
急に来たのに、こんなフカフカの布団に寝ることができるとは。
布団に入ってもなかなか寝付けない麗人は、何度も寝返りを打っていた。
自分の実家に帰って来たのだが、今は優衣里に姿であって…。
なんだか落ち着かないなぁ…。
そう思っていた麗人。
コンコン。
襖をノックする音に、麗人はドキッとした。
時間を見ると深夜1時を回ろうとしていた。
もしかして…
ちょっとドキドキとした麗人。
(麗人さん。もう、逆転する時だって言いましたよね? )
はぁ? そう聞いたけど…。
(その時が来たので、流れに身を任せて下さい)
え?????????
(大丈夫です、ここからが本当の始まりですから)
うちから聞こえる優衣里の声に従って、麗人は襖を開けた。