逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
相変わらず文彦は相手をディスって下げている。
本来なら自分が場違いな服装で現れたことを、謝るところだが、あくまでも自分は悪くないと思っている。
そういったところが、出世を邪魔しているのだろう。
「もう一人、お連れ様がお越しになられました」
お手伝いさんが連れて来たのは彩。
黒字に派手なバラ模様のワンピースに、黒い網タイツを履いて、メイクも水商売のような派手なメイクの彩。
髪も派手なパーマをかけて髪色も金髪に近く染めている。
「あら、萩野さん。良く来てくれましたね」
ニコッと笑って出迎えた麗人。
彩はいつもの優衣里からは想像できない和服姿に、意表を突かれたように驚いた。
なんで和服なの? 今日は、ただ食事するだけでしょう?
それに部長までスーツ姿で来ているなんて。
「萩野さんは、朝丘さんの向かい側がいいですね。バランスがとれますから」
はぁ? 何を言っているの? 婚約者の前に座らせるってどうゆう事?
彩は案内され文彦の向かい側に座った。
ラフなパーカー姿の史彦と、派手派手しい格好の彩。
確かに向かい合わせで座っていると、とてもお似合いだ。
麗人は部長の麗人の向かい側に座った。
彩はチラッと史彦を見た。
文彦もチラッと彩を見た。
確かに2人が向かい合わせに座るとバランスがいい。
くそっ。
これじゃあ俺の印象が悪くなる! 確かに優衣里が言うように、この家に来るならもっときちんとした服装で来るべきだった。
遊び着で来れるほど行き来しているわけじゃないし…。
内心悔しそうにしている文彦。
どうゆうつもりなの? 優衣里。
これじゃまるで、私の品格を落としているような物じゃない。
今日は部長に言い寄られていて、困っているから食事しながらそれを話すって事だったのに。