逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
 
 相変わらず文彦は相手をディスって下げている。
 本来なら自分が場違いな服装で現れたことを、謝るところだが、あくまでも自分は悪くないと思っている。
 そういったところが、出世を邪魔しているのだろう。


「もう一人、お連れ様がお越しになられました」

 お手伝いさんが連れて来たのは彩。

 黒字に派手なバラ模様のワンピースに、黒い網タイツを履いて、メイクも水商売のような派手なメイクの彩。
 髪も派手なパーマをかけて髪色も金髪に近く染めている。

「あら、萩野さん。良く来てくれましたね」

 ニコッと笑って出迎えた麗人。

 彩はいつもの優衣里からは想像できない和服姿に、意表を突かれたように驚いた。


 なんで和服なの? 今日は、ただ食事するだけでしょう? 
 それに部長までスーツ姿で来ているなんて。

「萩野さんは、朝丘さんの向かい側がいいですね。バランスがとれますから」

 はぁ? 何を言っているの? 婚約者の前に座らせるってどうゆう事? 

 彩は案内され文彦の向かい側に座った。

 ラフなパーカー姿の史彦と、派手派手しい格好の彩。
 確かに向かい合わせで座っていると、とてもお似合いだ。


 麗人は部長の麗人の向かい側に座った。

 
 彩はチラッと史彦を見た。
 文彦もチラッと彩を見た。

 確かに2人が向かい合わせに座るとバランスがいい。


 くそっ。
 これじゃあ俺の印象が悪くなる! 確かに優衣里が言うように、この家に来るならもっときちんとした服装で来るべきだった。
 遊び着で来れるほど行き来しているわけじゃないし…。


 内心悔しそうにしている文彦。


 どうゆうつもりなの? 優衣里。
 これじゃまるで、私の品格を落としているような物じゃない。
 今日は部長に言い寄られていて、困っているから食事しながらそれを話すって事だったのに。
< 27 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop