逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
 
 文彦と彩がモヤっとしている中。

 お手伝いが料理を運んできた。

 まるで、どこかの料亭で出されるような高級素材の和食に彩の目の色が変わった。
 
 なにこれ。
 優衣里はこんなものを毎日食べているの?


「どうぞ、ご遠慮なく召し上がって下さいね」

 麗人がそう言うと、彩はサッと橋を割って食べ始めた。

 文史彦はとりあえずゆっくりと食べ始めた。

 部長の麗人は、手を合わせて頂きますと言ってゆっくり食べ始めた。
 
 麗人も頂きますと手を合わせて食べ始めた。


 ゆっくりと上品に食べている姿は、部長の麗人と向かい側に座っている麗人はとてもよく似ている。
 
 一方、文彦と彩はどちらかと言うと品がなくクチャクチャと食べる音を立てていたり、がっついたりと品のなさが目立っていた。


 朝丘さんってあんなに下品な人だったんだ。
 あれじゃあ、この家には相応しくないし優衣里さんが恥ずかしかっただろうな。
 それに萩野さんって、まるで日頃はろくなものを食べていないようにがっついている感じだ。
 あの2人ならお似合いだろうなぁ。

 麗人は食べながらチラッと、部長の麗人を見た。

 ねぇ、今日はちゃんとしたスーツで来たって事は優衣里さんに恥をかかせないように考えて来たんだよね?
 優衣里さんのお父さんにも会うから、自分の品格も落とさないようにって考えての事だよね?
 いくら同僚の家に呼ばれたとしても、この伊集院家に呼ばれるのだからそれなりの格好じゃないとって思ったんだよね?
 ここはチャンスだよ、優衣里さんのお父さんにもっと自分をアピールしておくんだよ。

 チラッと部長の麗人を見ながら、内心応援していた麗人。
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