逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
木製のドアを開けると、カランと鈴が鳴り。
「いらっしゃいませ」
と、初老に差し掛かったマスターがちょっとぶっきらぼうな挨拶をしてくれる。
店内を見渡すとそれほど混んでなかった。
麗人は窓際にすわった。
椅子もテーブルも、使い古しているような古い物だが、それがまたいい味を出している。
メニューにはランチも用意されている。
今日のランチはオムライス、そして珈琲もついている。
マスターがお水を持ってきた。
「お姉ちゃんめずらしいね、オフィス街の勤務しているのか? 」
表情とは違い優しい口調のマスター。
「はい、どこも混雑しているので初めてですが来てみました。今日のランチ、お願いします。オムライス、大好きなのです」
「はいよ、ちょっとサービスしておくよ」
不愛想ながらニコっと笑ったマスターは、ちょっと可愛い感じが受けた。
麗人は辺りを見渡した。
よく、大学生の時ここに来て父さんと待ち合わせしたてランチ食べたよなぁ…。
オムライスをおごってもらう事が楽しくて…あの時は、i弟の純也(じゅんや)も一緒で楽しかったよな。
いつの日か、純也は彼女が出来て来なくなったけど。
ん?
ふと窓の外を見た麗人は、キョンとなった。
窓の外には、麗人と似た感じのちょっとちゃらそうに髪を金髪にした、ラフなブルーのポロシャツに紺色のスラックスに白いスニーカー姿の青年が立っていた。
純也だ。
でも、今は伊集院さんだから僕とは気が付かないよね。
窓の外の青年は気楽に手を振りながら、カフェの中に入って来た。
え? 入って来た。
まさか…ここに来たりしないよね?
ちょっとドキドキしていた麗人。
だが…。
麗人のドキドキとする期待は外れ、純也は別の所へ向かった。