逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
麗人と純也
離れた場所で聞いていた麗人は、ランチを食べながら純也が何を考えてあんなことを言ったのかを考えていた。
起たないって事はない、今の彼女とはもう5年以上続いていて、同棲していていつ子供ができてもおかしくないって話していたのを覚えているから。
何か挑発をかけているのだろか?
彩は純也と話を終えると、先に帰ってしまった。
外に出た彩はどこかにメールを送って、ニヤニヤしながら歩いて行った。
純也が萩野さんと付き合うって…彼女の事はどうするんだ? もしかして、別れたのか?
僕が九条家にいた時は、純也が彼女と別れた話は聞かなかったけど。
色々考えながら麗人がオムライスを食べていると、マスターがおいしそうなプリンを持って来てくれた。
「ねえちゃん、これサービスだから食べてくれよ」
「え? いいんですか? 」
「ねえちゃんのように、綺麗な人が毎日来てくれたら俺もまだまだ頑張れるからさっ」
プリン。
そう言えば父さんとここに来ているとき、おやつの時間になった時はこのプリンをよく食べていたなぁ。
「有難うございます。頂きます」
麗人が嬉しそうにプリンを見て笑っていると。
ツンツン。
誰かに肩を突かれて、麗人は食べる手を止めて振り向いた。
「やぁ」
振り向くと純也がいた。
麗人は思わず引いてしまった。
「そんなに驚かないでくれよ、あんたの事は遠くから見ていたんだ。兄貴が、ずっと好きな人だからさっ」
はぁ? 何を言っているんだ? お前に話した事あったか?
「うーん。やっぱりメガネ外した方が綺麗だな」
「私の事前から知っているのですか? 」
「ああ、知っているよ。俺、大学の時ずっと遠くから見てたからさっ。あんたがよく、庭に迷い込んだ犬や猫を大切そうに抱っこして可愛がっていたのも見てたから」
「そうだったのですか」
「沙原コンサルティングに入社してから、メガネかけて愛想なくなったもんな」
「はぁ…」
純也はじっと麗人を見つめて来た。