逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
(彼女は…亡くなったよ。…)
「え? どうゆう事なんだ? 」
(元々、彼女はそれほど長く生きていられなかった。不治の病だったんだ。それでも俺は、彼女を愛していたから。命がある限り、一緒に居たくて家を出て同棲していたんだ。安定して自宅療養も出来るくらいになっていたが…2週間前に、事故で亡くなったんだ…)
「事故? 」
(ああ、ひき逃げ。だが、犯人の目星はついているから)
「まさか…その事故と、萩野彩が関係しているとかじゃないか? 」
(さすが俺の兄貴、勘が鋭いね。ビンゴだよ)
「どうゆう事なんだ? 」
(簡単に話すと。2週間前、彼女が病院から帰る途中。信号無視をして来た車が突っ込んできて、青信号で渡っている彼女をはねたんだ。人通りが少なく、目撃者がいない状態で、ただ赤い車で男女が乗っていた事だけが分かったんだが。麗美に頼んで、唯一写っていた車の写真を詳しく調べてもらったんだ。そうしたら、顔は分からなかった、服装から萩野彩と同じ服を着ていたのが判った。そして相手の男も、いつも外回りで一緒にいる男だと分かったんだ。俺が、ちょっと素行調査していた時に同じ服を着ていたし。萩野彩と一緒にホテルに入って行ったのを目撃しているから)
「まさか、相手は朝丘文彦か? 」
(ああそうだ。彼女をはねておきながら、止まることなくそのまま逃げて行ったんだ)
なんてことだ…だが、結婚相手に1憶の保険金をかけて山分けしようと企む奴だ。
ひき逃げしても見つからなければいいって、そうゆう考えなのだろう。