逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
狙われた?
それから数日後。
あれから文彦は鷹人に移動辞令について抗議したが、勤務態度や取引先からのクレームの多さが重なり信用問題にまで発展しかねないと言われ抗議は却下された。
彩は鷹人の息子である麗人と結婚に約束をして、現在い妊娠している事を告げたが、鷹人はそんな事実はありえないと言い切った。
それなら証拠を見せますと言って彩は病院で受診した偽の診断書を見せつけたが、鷹人はそれなら血液検査をしてもらい麗人の子供であることをハッキリと証明してきてくれと言った。
まだ妊娠判定も出いていな状態でそれはできない彩は時間を下さいと言って、とりあえず引き下がった。
鷹人はやれやれと、ため息をついてた。
今日もいつも通り仕事が始まり、彩は残り少ない勤務の中、引継ぎをする為に他の女子社員と外真周りにでて、文彦はこれ以上クレームが出ないようにと内勤をさせられている。
なれない内勤業務に、文彦はイライラを隠しきれない顔をしていた。
いつもの仕事をしている麗人は、社長室に届ける書類が出来上がりファイルにまとめるとそのまま営業部出て行った。
そんな麗人を見て、文彦はその後を追った。
部長の麗人はなんだか嫌な予感がして少し様子を伺っていた。
麗人がファイルをもって歩いていると、後ろから文彦が気づかれないように追いかけて来た。
背後から近づいて来た文彦は突然ガシッと、麗人に後ろから抱き着いて来た。
「わぁ! 」
驚いて声をあげた麗人を、そのまま死角になる通路に引きずり込んだ文彦。
ドン! と、壁に麗人を押し付けた文彦はニヤッと笑った。
な…なんだ?
まるで獣のような顔をしている文彦に、麗人は驚いた。
「お前、俺と婚約破棄できると思っているのか? 」
「な…なんなんですか? 急に…」
「お前は俺のものだ! 」
ガシッと、麗人の顎を掴んできた文彦はそのまま唇を近づけて来た。
わぁ! 冗談じゃない!
首を大きく振って抵抗している麗人だが、女性の力では文彦を振り払うことが出来なかった。
何を考えているんだ! 気でも狂っているのか? それとも、移動辞令がでてやけになっているのか?
「ちょっと! やめて下さい! 」
「ばかかお前、元々ひ弱なくせに俺に叶うと思うのか? 」
ペロッと首筋を舐めて来た文彦。
その感覚に麗人はゾクっとした。
気持ち悪い! 何これ…
「お前は俺のもの! 俺が彩と結婚したって、お前は俺のおもちゃだ! 」
ぎゅっと麗人の胸をわし掴みしてきた文彦は、プチっとブラウスのボタンをは1つ外した。