逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~

「もう、何も心配しないで下さい。僕がまもりますから」
「…はい…」

 小さく答えるしかできなかった麗人。
 だが内からあふれ出る喜びを感じて胸がいっぱいになった。
 これが本気の恋なのだろう…。



 定時になり。
 今日は部長の麗人も用事がある為、定時で帰る事にした。


 帰って行く麗人の後をこっそりつけている文彦がいた。

 駅前のオフィス通りを過ぎて、大通りに差し掛かる時。

 突然、部長の麗人の前にいかつい格好をした3人の男が現れた。

「お前、沙原麗人だな」

 3人の男が部長の麗人を囲んだ。

 部長の麗人は黙ったまま相手の様子を見ている。

「悪いが、お前には死んでもらう」

 キラッと光るナイフを取り出した厳つい男は、ニヤッと笑った。

 過去定類男達もニヤニヤ笑いだした。

 背後にいた男が、部長の麗人の後ろから近づいてきて、ガシッと羽交い絞めにしようとした。
 が…

 サッと交わされてしまった。

 ん? と、イカツイ男が麗人を睨みつけた。

「なんなんだ? お前達。いきなり現れて、死んでもらうってなに? 」
 余裕の表情で部長の麗人が言った。
「うっせぇ! 」

 ナイフを持ったイカツイ男が飛びかかってきた!
 
 だが…。

 ガシッ! と、ナイフをもった手をつかみ取られてしまった。

「なっ…」
 グイッと、掴み取られた手をねじ上げられた男が苦痛に表情歪めた。

「こいつ! なめやがって! 」

 2人の男が部長の麗人に殴りかかって来た!

 だが、ひょいと交わされてしまった。

「悪いんだけど、喧嘩したいなら他の人とやってもらえませんか? 自分、忙しいので」

「なんだと? 」
「なめてんのか? 」

 威嚇しながら男達は麗人に殴りかかってゆくが、全て交わされてしまった。
< 81 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop