逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
「ゲッ! なんで俺が逮捕されるんだよ! 」
女性は手帳を見せた。
手帳には総有警察署の刑事である事が、顔写真付きで証明されていた。
名前は…沙原麗美と書かれていた。
「これで分かった? 」
男達は観念したようだ。
警察官に連れていかれる男達を見て、部長の麗人はやれやれとため息をついた。
「麗人さん、また何かあればいつでも自分に連絡ください」
そう言って黒服の男達は去って行った。
「全く…何してんのよ、お兄ちゃん」
麗美が部長の麗人に歩み寄って行った。
沙原麗美。
この女性は部長の麗人の妹である。
母親の麗香が元刑事だった影響で、同じ道を進み現在は総有警察署の刑事課にいる。
「麗美。別に何もしていないけど」
「それならいいけど。昔の絡みで、裏社会の連中が味方にいるのはいいけど。ああゆうチンピラには気を付けてよ」
「はいはい。だが、よくここが判ったな」
「通報があったの。変な連中が、ナイフを持って市民を襲っているって。綺麗な声の女性だったようよ」
もしかして…。
部長の麗人は優衣里ではないか? と思った。
「あいつ等、僕の命を狙っていたから。誰かに頼まれたのだろうな」
「そうなんだ。誰が頼んだのか、しっかり聞いておくわね。じゃあ」
麗美はそのまま去って行った。
部長の麗人はホッと一息ついて歩き出した。