逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
駅から歩いて15分程の場所にある住宅地。
ごく普通の住宅地の一件家。
集合住宅地と言えばそんな感じだが、隣近所とはちょっと離れている感覚はある。
門を開けて階段を上ると、茶色い扉の玄関があり、中に入るとすぐに2階への階段がある。
ちょっとおしゃれな感じの内装。
ここは彩の家である。
「どうぞ、入ってちょうだい」
彩と一緒に歩いていた若い男性。
紺色のスーツ姿に生真面目な眼鏡をかけて、まだ20代前半くらいの若い男性は、初々しい感じを受ける。
彩は男性と一緒にリビングへやって来た。
それほど広くはないが、リビングとキッチンが隣り合わせになっていて、4人掛けの食卓と食器棚と冷蔵庫が置いてあり南向きの窓には黒いカーテンが敷いてある。
彩は男性をリビングのソファーへ座らせて、隣に座った。
「いいわね、若い人って。お肌もツルツルしているし、なんて言っても…」
いやらしい目を向けて、彩は男性の股間に手を押し当てた。
「あら、感じているの? やっぱり若い人って早いのね…もう育っているわ…」
まさぐるように男性の股間に触れながら、彩は怪しげに微笑みを浮かべた。
「駅前でぶつかった事は、チャラにしてあげる。その代わり…」
スーッと男性の頬を指でなぞり、そっとメガネを外した彩。
「あら、メガネ外したらイケメンじゃない。この顔なら、大丈夫ね」
ヌ~っと顔を近づけると、彩はそのまま男性の唇にキスをした。
半ば強引にキスをされた男性だが、我慢しているような表情で彩に身を任せている。
キスをしながら彩は男性のネクタイを外してゆき、ジャケットを脱がしてシャツのボタンを外してゆく…。
「…いい体だわぁ…。若い人の体…初めて知ったのは、中学生の時だったのよ…」
パサッと、服を脱ぎ始める彩。
下着姿になった彩を見ると、男性はちょっと恐怖に引きつったような表情を浮かべた。
「初めてだから緊張している? 大丈夫よ、すぐに気持ち良くなるわ。そして…」
サッと下着をとった彩は、男性に覆いかぶさって行った。
「貴方も私の虜になるのよ。…こんな体にしてくれたのはね…私の兄なの…」
フフっと笑った彩は、リビングの棚の上に置いてある写真に目をやった。