逆転結婚~目が覚めたら彼女になっていました~
 
 優衣里は見事合格して、麗人も同じ大学へ進学したことを知った彩は、受験に失敗したのは優衣里が嫌がらせをした事で精神的に追い込まれてしまったせいだと周りには言っていたようだ。

 高校を卒業して就職の道を選ばざる負えなかった彩は、一般企業で事務員として働いていたが、周りの男性社員にすぐに言い寄って行く癖があり問題を起こして退職した。

 それからは派遣社員として働いて、3ヶ月おきに企業を転々として来たが、沙原コンサルティングに派遣されてからは更新を続け長く勤務している。
 後から優衣里が新入社員として入社してきて、高校の時の同級生で親友をふりをして近づいてきた。
 しかし優衣里は、高校生の時とはまるで違う雰囲気で愛想もなくムスっとしている事が多かった。

 そんな中。
 彩は何故か文彦と意気投合した。
 話をしていると、とても気が合い欲も深かった。

 文彦が優衣里と交際を始めると、お金持ちの優衣里から高額な財産を奪う話しや、高額保険をけて大金を山分けしようという話になったのだ。




 行為が終わった彩は、ベッドで眠ている男性をじっと見つめた。
「…いい顔立ちね。これなら、なんとかごまかせそうだわ…」
 怪しく微笑んだ彩は、枕元に隠しておいたナイフをとりだした。
「用は住んだわ…」
 ニヤッと笑うと、彩は男性の首をザクっとナイフで切った。

 ドクドクの流れ出てくる血を見て、彩は狂ったような笑みを浮かべた。
「いつ見てもいいわね…」

 ベッドから出た彩は、傍にあるガウンを羽織った。
 そして携帯電話御手に取り電話をかけ始めた。
「もしもし? ちょっと来てもらる? 」
 
 電話を切ると、真っ青になった男性を見た。
「あ~あ。シーツ取り換え面倒だわね」

 男性を殺しても顔色一つ変えない彩は、恐ろしい魔女のような目つきになっていた。



 しばらくしてやって来たのは、文彦だった。

「わぁ! こりゃまた派手にやったもんだ」
「さっさと始末して、床下はもう満員状態だから和室の下に放り投げてね」

 文彦は黙ったまま、息絶えている男性をシーツでくるんでひょいと抱えた。

 そしてそのまま和室へと連れて行った文彦。
  
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