溺愛×ミッション!①~エリート学園の超モテスパイ男子たちに溺愛されちゃってます!
思わずゾッとして、ソウくんのほうへと目をやる。

だけど彼は、音楽に夢中なのか、私の声には気づいていないみたいで。

ど、どうしようっ。このままじゃ、ソウくんが……!

とたんに言いようのないあせりにおそわれた。

――そう。私には、生まれつき「予知能力」があって。

いろんな人の少し先の未来が、こんなふうに見えてしまうんだ。

しかも、そのほとんどがこういった、危険を予知するものばかり。

たまになんでもない映像が見えることもあるけれど、どちらかというと、悪い予知のほうが多いの。

それに、この力が発動するのはランダムだから、必ずいつも、どんな未来でも見えるわけじゃない。

そして、見えたからといって、必ず私がそれを防げるわけじゃない。

過去にもそれで何度も人を助けようとして、実際に助けたこともあるけれど、感謝されるより気味悪がられることのほうが多くて。

いつしか自分でも、この力を忌み嫌うようになっていた。

だから、なるべく人には知られたくない。

この力のせいで、嫌な思いをたくさんしてきたから……。

幸いこの学校ではまだ誰にも知られていないし、そのおかげで今のところ平和に過ごすことができているから、できればこのままヒミツにしておきたかった。
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