溺愛×ミッション!①~エリート学園の超モテスパイ男子たちに溺愛されちゃってます!
「あのっ、石川くん!」

意を決して、石川くんに声をかける。

「えっ?」

「その模型、ちょっと貸してくれないかな?」

私がそう告げると、石川くんは眉をひそめ、ムッとした顔で聞いてきた。

「は? なんで?」

「ちょっとだけでいいのっ。たしかめたいことがあって……」

「はぁ? なんで今? っていうか、あとちょっとで解体できるのにジャマすんなよ」

だけど、やっぱりそう簡単には渡してくれない。

いつもそう。私がこうやって危険を阻止しようとしても、相手には意味がわからないから、だいたい断られてしまうんだ。

かといって、本当のことを話したところできっと、パニックになっちゃうし……。

タイマーを見ると、残り時間はあと一分ほどしかない。

「お、お願いっ! じゃないともう時間が……っ」

思わず手を伸ばし、石川くんの腕をつかんで必死に懇願する。

そしたら彼は、その手をバッと振り払ってきて。

「いやいや、意味わかんねーし! それより自分の解体しろよ」

ますますイラついたようにそう言ってきたので、私はあせりで頭が真っ白になった。
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