私が愛した人は…
「テスト終わった〜」

「来週から短縮授業だし、夏休みも始まるな」

今日が9日で、17日から夏休み。

7月も中旬に差し掛かっている。

空雅が転向してきて、3ヶ月が経つ。

空雅は、あの日以降話しかけて来ることは無かった。

絶対、話しかけて来ると思ってたんだけどね。

空雅が私の事なんて言ってるか知らないけど、日に日に女子からの愚痴は増えていってた。

龍が暁さんに報告する度、いつも止めるの大変。

なので、悪口ぐらいで報告しなくていいって言ったんだけど、報告している。

「さ、帰るか」

「うん」

この日も、いつも通りだった。

いつもと違うというなら、下校の時校門に先生が一人立っていたことだ。

朝は立ってるのよく見るけど、放課後は職員会議や部活で立ってることはない。

こんな先生、いたっけ?

見覚えがない先生だった。

みんな普通に挨拶してるし、特に気にしなかった。

「おかえり、鈴。龍も」

「ただいま」

「ただいまです」

「さ、帰るか」

車に乗ろうとした時だった。

「死ねぇ!!」

叫び声が聞こえ後ろを向くと、校門にいた先生が包丁を出してこっちに向かって走ってくる。

「鈴!!龍!!」
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