紺くんはわたしの世界一好きな人。


「はい(うい)、あーん」
 屋上でわたしの口に(こん)くんがかじったビーフカレーパンの半分を入れる。

 甘辛いっ。
 でも牛肉ゴロゴロ。
 サクサク、もちもちして美味しい。

「あの、(こん)くん、わたしもあーんやりたいです!」

「ん、じゃあ、して」

(こん)くんも、あーん」
 お返しにわたしも、かじったビーフカレーパンの半分を(こん)くんの口に入れた。

 お互いに照れる。

 何これ、すごく恥ずかしい。
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