秘密恋愛短編集
どうにかごまかそうとするが「お前、コンタクトなんてつけてないだろ」と、突っ込まれてしまった。


長年一緒にいる英祐のことは、こんなことじゃ騙すことができないんだ。


「俺がしっかりっしてないから、嫌いになったのか?」


続けて、不安そうな声でそんなことを言われたので一瞬息を飲んで英祐を見上げてしまった。


英祐を嫌いになるなんてあるはずない。


だって、私はずっと英祐のことが……!!


喉まで出かかった感情が熱い。


こんな場所で、しかも先生と生徒という立場になった今、自分の気持ちを伝えることなんてできないのに。


また黙り込んでうつむく。


すると英祐が握りしめている手首をひっぱった。


油断していた私はそのまま英祐に引き寄せられて、すっぽりと包み込まれる形になってしまあった。


英祐の熱を間近に感じる。
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