秘密恋愛短編集

クッキー

それからの数日間は英祐と目を合わせることができなかった。


英祐から告白されたことはとても嬉しかったけれど、私はそれを突き放してしまったのだ。


英祐からすれば、振られたことになっていると思う。


「振りたくなんてなかったのに……」


ベッドの中に潜り込んであのときのことを思い出すとすぐに涙が出てきてしまう。


英祐にあんなことを言ったことを今ではすごく後悔している。


でも、謝ることはできなかった。


今謝って自分の気持を素直に伝えても、先生と生徒である関係に変わりはない。


それならいっそ、このままのほうがいい……。
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