秘密恋愛短編集
目を見開いて言う聡に私は一泊遅れて口をポカンと開けてしまった。


「い、妹!?」


ようやくの思いで声を絞り出す。


「だって、俺の父親と理恵の母親が結婚するんだろ?」


聡がふたりの大人たちを指差して聞く。


ふたりは照れたように顔を赤らめて「まぁ、そうだな。そのつもりで挨拶に来たんだからな」と、賢人さんが答えた。


母親も嬉しそうに笑っている。


私と聡が兄妹……!?


ようやくことの重大さを理解して目を見開く。


「と、いうことでこれからよろしくね、理恵ちゃん」


賢人さんはそう言い、母親の肩に手を回したのだった。
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