秘密恋愛短編集
英祐は勉強のためにこの学校に来ていたのであって、彼女探しのために来ていたわけじゃない。


それなのに私はずっと英祐のことを考えてモヤモヤしてたんだ。


そう思うと途端に恥ずかしくなってきてしまった。


みんなそうだったのかもしれない。


英祐のことを先生として好きだったのかも。


「桃子、また手が止まってる」


「ご、ごめん」


私は慌ててクッキー作りに専念したのだった。
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