秘密恋愛短編集

説明する

翌日はいつもどおりに起きて、いつもどおりに朝ごはんを作った。


今日のご飯は二人分だけだ。


けれど相手は母親じゃない。


母親は今朝早くに賢人さんと一緒に飛行機に乗って、新婚旅行へ行っている。


「おはよう……いいにおいだな」


その声にドキッとして振り返ると聡が立っていた。


紺色の上下のパジャマを着て、頭には寝癖がついている。


無防備な姿に胸がキュンッとなるのがわかった。


こんな姿を見ることができるなんて、レアすぎる!


心臓がバクバクと早鐘を打つので、私は聡から視線を外して料理に専念することにした。


今日の朝ご飯はベーコンエッグだ。
< 14 / 121 >

この作品をシェア

pagetop