秘密恋愛短編集
聡への思いを知っている京香の頬はすでに赤く染まっていて、今にも『おめでとー!』と、ハグして来そうな勢いだ。


でも残念ながら私の気持ちが通じたわけじゃない。


「聡くん、今日はその子と一緒に登校してきたの?」


人を指すような冷たい声が聞こえてきて振り向くと、そこには聡のファンクラブ会員ナンバー1、大田チグサが立っていた。


チグサは仁王立ちをしてすでにこちらを睨みつけている。


チグサの後ろにはナンバー2とナンバー3も控えていて、全員から鋭い視線を感じる。


「あぁ。実は俺と理恵の両親が再婚して、俺たち兄妹になったんだ」


聡は照れくさそうに頭をかいて説明した。


その言葉にチグサたちは一瞬キョトンとしていたものの「えぇ!? 再婚して兄妹になったの!?」と、絶叫し始めた。


まだ誰にも話していなかっただけに、その混乱は一瞬にして教室中に広まってしまう。


「まじで? 再婚っていつしたんだよ?」
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