秘密恋愛短編集
「理恵と聡くんが兄妹?」


「うそでしょ。一緒に暮らしてるってこと!?」


とくに女子たちからの反応は大きかった。


だからあまり言いたくなかったのだけれど、隣の聡は涼しい顔をしている。


自分がまわりにどんな影響を与えているのか、あまり考えていないみたいだ。


「理恵、本当なの?」


心配そうな顔で京香が聞いてくるので、私は素直に頷く。


「実はそうなの。言ってなくてごめんね」


「ううん。びっくりしたけど……」


そこで言葉を切り、聡へ視線を向ける。


これからどうするつもり?


そんな質問が京香の顔に浮かんでいたのだけれど、私はなにも言えなかったのだった。
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