秘密恋愛短編集
「は……?」


思考回路は完全に停止してしまった。


い、今なんて!?


思い出す前にグッと顔を近づけられていた。


聡の息が私の前髪を揺らす距離。


ち、近い!


慌てて後ずさろうとするも、抱きしめられているのでそれもできない。


ベッドの中で私達の体は完全に密着していた。


「俺のこと嫌い?」


ささやくように聞かれて思わず左右に首をふる。


嫌いなわけがない!


好きで好きで好きすぎて、もうどうすればいいかわからないくらいなのに……っ!


暗闇の中で自分の顔が真っ赤に染まるのがわかる。


どうして急にそんなことを聞くんだろう?


私、なにかバレるようなことを言ったっけ?
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