秘密恋愛短編集
兄妹になっても、血の繋がりがなければ大丈夫なことを一生懸命調べたようだ。


「それで昨日その子の部屋で勉強をしたとき、偶然机の上の写真に気がついた」


やっぱり、見られてたんだ!


「すっげー嬉しかった! 自分がずっと好きだった子が、俺のことを好きになってくれてたんだもんな」


そう言って笑う声は本当に嬉しそうだ。


「じゃあ、どうしてさっきは……?」


「ああ言わないとしつこいから。もしも兄妹で恋愛しているなんてバレたら、あいつらきっともっとひどい妄想するだろ」


さっきの様子から考えるとたしかにそうかもしれない。


それに、私達が両思いだとバレたら聡のファンクラブの子たちも黙っていないだろう。


そう考えると聡の行動は間違っていなかったことになる。


それなのに私は早とちりしてしまったんだ。


「ごめんね聡、私なにも考えてなくて傷ついちゃって」
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