秘密恋愛短編集

噂の彼女

翌日目が覚めてからも昨日の出来事が頭の中から離れなかった。


今日の放課後も悦司に呼ばれているから、そこで聞いてみるのもいいかもしれない。


じゃないと私の心臓は持ちそうにないから。


1年B組の教室の前までやってきたとき、中から男子たちの話し声が聞こえてきた。


いつもならそんなの気にせずドアを開けるのだけれど、今日は手を止めてしまった。


中から聞こえてきた声は悦司たちだったからだ。


「昨日の放課後、俺見ちゃったんだけど」


楽しげな声に聞き耳を立てる。


「悦司、お前放課後女の子と会ってただろ!!」


放課後、女の子という単語にドキッとする。


もしかして私と悦司が一緒にいるところを見られちゃった!?


どうしよう、私は別にかまわないけれど悦司は人気者だから変な噂になってしまうかもしれない。


ふたりの関係をかんぐられる前にちゃんと説明したほうがいいよね?
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