秘密恋愛短編集
とにかくメガネをかけてみると、悦司の顔は真っ赤に染まっている。


「あの、さっきの美少女って?」


キョロキョロと教室内を見回してみるけれど、私達以外には誰もいない。


どこに美少女なんているんだろう?


そう考えていると当然悦司がぷっと吹き出して笑い出した。


「な、なにがおかしいの?」


人が真剣に考えているのに笑われて少しムッとしてしまう。


悦司はそんな私の頭をポンッと撫でる。


また、そんな勘違いするようなことして!


怒ろうと思ったけれど「美少女はここにいる」と言われて言葉がでなくなってしまった。


ここにいる……?


「ちなみに、俺はその子のことが好きだ」


「それって……」
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