秘密恋愛短編集
「悪い。また忘れて来た」


「ほんっとうに、お弁当ばかり忘れてたら、おばちゃんが傷つくよ?」


「本当だな。明日は気をつけるよ」


お弁当受け取り、大切そうに抱える。


「今日は女子生徒たちはいなんだね?」


今度はちょっと嫌味っぽくなってしまった。


自分の感情が波打っていて、自分でもコントロールが難しい。


感情がそのまま表に出てきてしまう。


「あぁ、さすがに職員室に群がるのはよくないから、他の先生たちが注意してくれたんだ」


「そっか」


それならここへ来れば安心して英祐と会話ができるのか。


それは嬉しいことなのに、やはり私の心ははれない。


貴美子の気持ちを聞いてからずっとモヤyモヤしっぱなしだ。


「とになくさ、いつまでも私が英祐のそばにいるとは限らないんだから。忘れ物とか気をつけてよね」
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