fantasista 3 ー永遠にー
タクシーはあたしたちの新居に着き、柊のシャツを掴んで引きずり下ろす。
そして改めて沙知を見た。
「沙知、本当にありがとう。
せっかく楽しんでいたのにごめんね。
……飲み会に戻るよね?」
沙知は戻ると思っていた。
だけど沙知は首を振る。
「ここから部屋の中まで柊を運ばなきゃいけないでしょ?」
「大丈夫だよ。
……ねえ、あんたそろそろ起きて?」
道端に寝転がるみっともない柊をつつくが、柊はびくともしない。
ただ、気分悪そうな顔をしている。