fantasista 3 ー永遠にー






「わー!散らかってるね!」


沙知は面白そうに言う。

というのも、柊は片付けが苦手だ。

初めて柊の家に行った時、その散らかり具合にゾッとした。

だからあたしは片付けを毎日しているのだが……

わざとかというほど柊は散らかす。

今も柊のジャージが散らばっていたり、意味不明な筋トレ道具が転がっていたり。

おまけに今日は、あたしが着ようか迷っていた服も出ている。

人が来ると知っていたら、こんなことはしなかったのに。




「沙知、何か飲む?

アルコール回っていて辛いでしょ?」


気を遣って冷蔵庫を開けるが……


「なんかあたしも……気持ち悪くなってきた……」



沙知はベッドにぐったり倒れてしまった。

沙知も酔っていたのに、あたしを手伝ってくれたんだ。

胸が痛んだ。


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