fantasista 3 ー永遠にー
荷物をまとめて一人で帰ろうとした。
誰も付き添ってくれるはずもないし、お願いもしていない。
今後のことを考えると不安だけど、あたしは元気だ。
これからまた、いつもと同じ毎日を過ごすんだろう。
柊がいない家に帰るのは寂しいけど、少しの我慢だ。
「戸崎さん、親善試合、今日ですね!」
看護師さんたちに最後のお礼を言うと、彼女たちは笑顔で言ってくれる。
戸崎柊の妻はたいしたことないと、不満そうな顔をすることもない。
そんな看護師さんたちにホッとする。
そして、戸崎みどりなんだと改めて思う。