fantasista 3 ー永遠にー
病院を出る。
十日間もお世話になった病院から、柊のいない自宅に戻るのはなんだか怖かった。
もし、倒れてしまったらどうしようと不安が頭をよぎる。
そんななか、
「山形先輩、家まで送りますよ」
そう現れたのは、なんと
「凪君……」
だったのだ。
凪君とは何もない、神に誓って何もない。
凪君から告白されたわけでもないし、いい雰囲気になっているわけでもない。
だから、このまま凪君の車に乗っても何もない、そう確信している。